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歩くと疲れやすい人の歩き方の特徴と原因 ~歩行効率が低い理由を解説~|【特徴編】疲れやすさと歩行効率シリーズ①

歩くと疲れやすい人の歩き方の特徴と原因 ~歩行効率が低い理由を解説~|【特徴編】疲れやすさと歩行効率シリーズ①


京都・四条烏丸にある脳卒中やパーキンソン病のリハビリに特化した自費リハビリ施設「re-HAVE(リハブ)」です。

歩くとすぐ疲れる、長い距離を歩くのがつらい…そんな悩みを感じていませんか?
今回のコラムはシリーズ「疲れやすさと歩行効率」の【特徴編】として、疲れやすい人に共通する歩き方の特徴と、歩行効率が低くなる原因を解説します。

後のシリーズでは、健常高齢者・脳卒中・パーキンソン病の疾患ごとの歩行の特徴や疲労の原因も詳しく取り上げます。


疲れやすさと歩行効率の関係

歩行効率が低いとは、歩く時に力を余分に使ってしまう状態のことです。

効率が低い歩き方では、同じ距離を歩くにも多くの筋力やエネルギーを消費するため、疲れやすくなります。


例えば、左右差が大きい、歩幅が不揃い、体幹の動きが少ないなどの特徴がある場合、余分な筋活動が増え、疲労につながります。

力の使い方が非効率な歩き方では、短い距離でも疲れやすくなるのです。


歩行効率とは?

  • 歩行効率とは、歩行に必要なエネルギー消費量と、歩行によって得られる前進距離や速度との比 で表される概念です。
  • 言い換えると、少ないエネルギーで、より安定して長く、または速く前に進む能力を指します。
  • 効率的な歩行では、重心移動や下肢・体幹の動きがバランスよく行われ、疲れにくく安定した歩行が可能です。
  • 反対に、歩行効率が低い場合は、左右差や代償動作が増え、推進力が弱くなり、疲れやすくなります。



歩行効率が低い人に共通する特徴

下肢関連の特徴
✅ 左右差:麻痺や利き脚の違いで体重のかけ方が偏り、左右の歩幅や踏み出す力に差が出る
✅ 歩幅の不揃い:左右の歩幅がそろわず、歩行がぎこちなくなる
✅ 足先のクリアランス不足:歩行時につま先が上がらず、すり足になりやすい
✅ 推進力の低下:下肢の筋力不足により前に進む力が弱く、歩行速度が遅くなる


体幹・骨盤関連の特徴
✅ 骨盤・体幹の動きが制限:骨盤の回旋や傾きが少なく、重心移動がスムーズでない
✅ 姿勢の偏り:前傾・後傾、左右の傾きがあり、長距離歩行で疲れやすくなる


代償動作・運動パターンの特徴
✅ 体幹・上肢での補助:麻痺側の下肢の力不足を肩や体幹で補い、体が左右に揺れる
✅ 歩行リズムの不安定さ:歩くペースや歩行周期にばらつきがあり、疲れやすい


その他の観察ポイント
✅ 足底接地の異常(かかとから着地できず、つま先から着地)
✅ 歩行速度の低下や長距離歩行での疲労の早さ



歩行効率をチェックする評価ポイント

疲れやすい原因を理解するためには、まず自分の歩行を観察してみましょう。専門的な機器がなくても目視や動画で十分チェック可能です。


チェック項目ポイント
左右差・歩幅のばらつき左右の歩幅や踏み出しの力が均等か
足先のクリアランスつま先が上がっているか、すり足になっていないか
体幹・骨盤の動き骨盤の回旋や左右傾きが少ないと歩行効率が低下
代償動作足の力が不足していないか、腕や体幹で補いすぎていないか
歩行リズム・速度ペースが一定か、途中で疲れが急に増えないか


歩行効率を改善するためのアプローチ

歩くと疲れやすいと感じる場合、下肢の筋力や柔軟性、歩き方、体幹の使い方を見直すことで歩行効率を上げることができます。以下は一例となります。

下肢の筋力・柔軟性を高めるトレーニング

🌷 足首・膝・股関節の筋力を鍛えると、踏み出す力が強くなり歩行が安定します。

🌷 足首の背屈や股関節の伸展の柔軟性を向上させると、つま先挙上や歩幅の確保がしやすくなります。


歩行パターンを整える

🌷 左右の歩幅やリズムをそろえる練習をすることで、前に進む力を効率よく使えます。

🌷 つま先を上げることや膝の屈伸を意識した歩行は、すり足や引きずり歩きを防ぎ、疲労軽減につながります。


体幹・骨盤の動きを改善する

🌷 骨盤の回旋や体幹の左右バランスを意識して歩くと、下肢の力を効率よく前進に伝えられます。

🌷 体幹のストレッチや安定性トレーニングも歩行効率向上に役立ちます。


代償動作を減らす

🌷 腕や体幹で無理に補う歩き方は疲れやすくなります。

🌷 麻痺側の下肢を少しずつ自力で使う練習を取り入れると、歩行の効率が高まります。


歩行補助具を活用する

🌷 必要に応じて杖や短下肢装具を使うと、安全に歩くことができ、疲労も減らせます。

🌷 補助具は、歩行効率を高める方向で調整することが大切です。


これらは一般的なアプローチです。個別の方法や強度は、理学療法士と相談しながら行うことをおすすめします。


まとめ

歩行効率を改善し、歩くときの疲れやすさを軽減するには、まずご自身の歩き方を見直すことが大切です。
もし「自分の歩き方が心配」「もっと楽に歩けるようになりたい」と感じたら、ぜひ一度当施設にご相談ください。

経験豊富な理学療法士が、あなたに合った評価と改善プランをご提案します。



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次回は、健常高齢者・脳卒中・パーキンソン病の歩行特徴と疲労のメカニズム を詳しく解説します

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