なぜ脳卒中の歩行リハビリは時間と頻度が必要なのか|評価・介入・再評価ができないと変わらない理由
京都市下京区・四条烏丸の自費リハビリ施設 re-HAVE(リハブ)では、
脳卒中後片麻痺の歩行に不安が残る方に向けて、「なぜ続けているのに歩行が変わらないのか」を、感覚論ではなく構造的に整理しています。
はじめに|「リハビリはしているのに、歩行が変わらない」理由
退院後、こんな声をよく聞きます。
- リハビリは続けているが、歩きやすくなった実感がない
- 一時的によくなった気がしても、すぐ元に戻る
- 「もう慢性期だから仕方ない」と言われた
こうした状況は、努力不足や年齢、回復期を過ぎたからという理由だけでは説明できません。
多くの場合問題なのは、「本当の原因(問題点)に合った形で、検証が回っていないこと」にあります。
このコラムでは、
🚂なぜ歩行リハビリに「時間」と「頻度」が必要なのか
🚂頻度が低いと何が起こるのか
🚂「評価・介入・再評価」とは、実際に何をしているのか
を整理していきます。
歩行は「できた・できない」では変わらない
歩行は、
- 姿勢
- 左右のバランス
- 体重移動
- タイミング
- 代償動作
など、複数の要素が同時に関わる非常に複雑な動作です。
そのため、歩けているかどうか、転倒していないかだけを見ていても、なぜ不安定なのか、どこが原因なのかは見えてきません。
歩行が変わらない多くのケースでは、 本当の原因(問題点)が特定されないまま、同じ練習が繰り返されています。
なぜ歩行リハビリには「時間」と「頻度」が必要なのか―― 運動学習と神経の変化の視点から
歩行の改善は、一度の介入で完成するものではありません。
運動学習や神経可塑性の観点では、次の条件がそろって初めて、動作は変わっていきます。
✅繰り返し試すこと
✅実際の生活動作に近い課題であること
✅うまくいかなかった点を修正できること
✅変化を確認しながら続けられること
これらはすべて、一定の時間と頻度があって初めて成立する条件です。
頻度が少なすぎると、
💠試した変化が定着する前に間が空く
💠何が良かったのか検証できない
💠次回には元の歩き方に戻ってしまう
という状態が起こりやすくなります。
「時間と頻度が必要」とは、長く通うこと自体が目的なのではなく、変化を検証できる条件をつくるために必要という意味です。
🌏なぜ「正しい介入を、繰り返し行う必要があるのか」。その背景には、運動学習や神経可塑性の原則があります。
これらの考え方をもう少し理論的に知りたい方は、以下のコラムも参考にしてください。
🦉✨ 脳卒中後の脳の “再学習” について ―神経可塑性 (かそせい) とは?―
🦉✨ 運動学習 (Motor Learning) の視点で考える「身につく練習」|リハビリしても定着しない理由
頻度が低いと、なぜ歩行は変わりにくいのか
頻度が低い歩行リハビリでは、次のような問題が起こります。
❎介入の効果が偶然なのか判断できない
❎問題点を修正する前に時間が空いてしまう
❎次の一手を考える材料が不足する
つまり、本当の原因(問題点)に近づく前に、検証が止まってしまうという状態です。
これは、「回数が少ないからダメ」という話ではありません。
歩行という複雑な動作を、評価 → 修正 → 確認するには、一定の密度が必要という、構造の問題です。
「評価・介入・再評価」とは何をしているのか―― 想像ではなく、根拠に基づく検証
出発点は常に、歩行の中で、本当の原因(問題点)を特定することです。
評価で見ていること
🟩どの場面で不安定になるのか
🟩どこで代償が起きているのか
🟩なぜその動き方になっているのか
介入で行うこと
🪅問題点に合った動作課題の設定
🪅姿勢・支持・環境条件の調整
🪅動作の「やり直し」ではなく「組み替え」
再評価で確認すること
🎯何が変わったのか
🎯変わらなかったのはどこか
🎯次に修正すべき点は何か
この循環が回ることで歩行は少しずつ「別の形」に変わっていきます。
時間と頻度があるからこそ、このプロセスが検証として成立します。
「もう変わらない」と感じたときに考えてほしいこと
もし今、
💡歩けてはいるが不安が残る
💡リハビリをしても手応えがない
💡慢性期だから仕方ないと思っている
と感じているなら、それは限界ではなく、検証が途中で止まっているサインかもしれません。
「本当の原因(問題点)」が整理されないままでは、どれだけ頑張っても変化は見えにくくなります。
おわりに|歩行が変わらない理由には、必ず構造がある
歩行が変わらないのは、意欲が足りないから、時期を過ぎたからではありません。
多くの場合、本当の原因(問題点)に合った形で、評価と修正が回っていない事が多いです。
時間と頻度は、「頑張るため」ではなく、変わるかどうかを確かめるために必要な条件です。
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