【片麻痺者の分回し歩行③ 装具編】短下肢装具(AFO)で変わる人・変わらない人の違い
京都市の四条烏丸にある自費リハビリ施設『re-HAVE(リハブ)』では、脳梗塞や脳出血後などの神経系疾患を対象に、歩行に特化したリハビリを行っています。
本記事は「片麻痺者の分回し歩行」をテーマにしたシリーズの一部です。
③ 装具編:短下肢装具(AFO)で変わる人・変わらない人 👉本編
本記事では【③装具編】として、短下肢装具(AFO)が分回し歩行にどのような影響を与えるのか、なぜ「変わる人」と「変わらない人」がいるのかを整理します。
短下肢装具 (AFO) は分回し歩行を改善するのか?
エビデンスを踏まえた答えは、
「一部は改善するが、すべてが変わるわけではない」です。
先行研究では、AFOの使用によって、
- 足を出す時のつま先の引っかかりが減る
- 歩行の安定性が向上する
- 転倒リスクが低下する
といった効果は、比較的一貫して示されています。
一方で、
- 分回し歩行そのものが消失する
- 関節の使い方が自然に変化する
といった変化は、全員に生じるわけではありません。
AFOの役割は「歩行を補助すること」
AFO(短下肢装具)は、歩行中の関節の動きを補助し、安全性を高めるだけでなく、適切に使用することで歩行パターンや運動学習に影響を与える可能性がある装具です。
ただし、装具を装着するだけで分回し歩行が自動的に改善するわけではありません。
AFOで「変わる人」の特徴
- AFOによって歩行が改善しやすいのは、次のようなケースです。
🍀分回し歩行の主な要因が足関節の問題である
(つま先が上がりにくく、引っかかりを避けるために分回している場合)
🍀膝関節や股関節の協調性がある程度保たれている
(膝や股関節は曲げ伸ばしできているが、足首だけが使いにくい場合)
🍀代償動作が軽度にとどまっている
(大きく脚を外に振り出さなくても歩けている場合)
🍀装具を装着すると歩行の安定性が明らかに向上する
(装具をつけたほうが「歩きやすい」と本人が感じる場合
このような場合、分回し歩行が軽減する、あるいは目立たなくなることがあります。
AFOで「変わらない人」がいる理由
- 一方で、AFOを使用しても分回し歩行が大きく変わらない人もいます。
その多くは、次のような背景を持っています。
🍀遊脚期に膝関節の屈曲が十分に使われていない
(足を振り出すときに膝があまり曲がらず、脚全体を外に回して運んでいる場合)
🍀股関節外転による代償が強く定着している
(長い期間、脚を外に振り出す歩き方がクセになっている場合)
🍀下肢全体の協調性の問題が大きい
(足首だけでなく、膝や股関節の動きも同時に使いにくい場合)
この場合、足関節の補助だけでは、分回しという歩行戦略自体は残りやすいのが実際です。
「装具を外したい」と感じるのは自然なこと
臨床の現場では、
「いつまでAFOを使うのか」
「できれば装具なしで歩きたい」
「装具に頼りすぎていないか不安」
といった声をよく耳にします。
こうした気持ちは、決して特別なものではありません。
大切なのは、装具を外すこと自体を目標にしないことです。
エビデンス上も、AFOの使用は「依存」ではなく、安全性を確保しながら歩行練習を進めるための手段と考えられています。
装具を外せるかどうかを分けるのは「歩行の評価」
AFOを外せるかどうかは、
・筋力の数値
・可動域(ROM)の角度
だけで判断できるものではありません。
重要なのは、
- 歩行中に膝関節と足関節がどのように使われているか
- 代償動作がどの程度定着しているか
- 装具あり・なしで何が変わるのか
を、実際の歩行の中で評価することです。
同じ分回し歩行、同じAFO使用であっても、装具を外せる可能性は人によって大きく異なります。
装具は「答え」ではなく「手段」
ここまでを整理すると、次のように言えます。
- AFOは分回し歩行を自動的に改善する“答え”ではない
- 歩行の安全性を高めつつ、歩き方の再学習を促すための手段である
- 変化の有無を分けるのは、装具だけでなく下肢全体の使い方である
装具が必要かどうか、将来的に外せる可能性があるかどうかは、歩行を見なければ判断できません。
当施設で大切にしていること
re-HAVEでは、
装具の有無に関わらず歩行を確認し
膝・足関節を含めた下肢全体の動きを評価し
現在の状態と将来的な可能性を分かりやすくお伝えします
「今の歩き方がなぜこうなっているのか知りたい」
「分回し歩行を少しでも楽にしたい」
「装具を使い続けるべきか迷っている」
そう感じている方は、ぜひ一度、リハビリ体験をご利用ください。
専門的な視点で歩行を評価し、あなたの歩き方に合った改善の方向性をご提案します。
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